ベッキョンになりたい/ベッキョンになれない

久々に、ちゃんとEXOのことを書こうと思うよ。

 

ベッキョン(以下、べくちゃんと呼びます)ソロのティザーをみて、たまんない気持ちになるので、彼のことについてちょっと、がんばって書いてみようと思うよ。

 

 


BAEKHYUN 백현 "City Lights" Concept Film : Day & Night

 

 

 

ああ、で、いちおういつもの忠告なんですが…。

 

ここに書いたことは、あくまでわたしが考えた、見た、思ったべくちゃん像です。

しかも~割と~今回は~突き放して分析(むしろ妄想?)しまってるので、ものすごく冷たい感じになっている気がする。

それがわたしなりの彼への愛情表現なのだけど、たぶん、まわりから見たら、「べくちゃんをそんなふうに批判しないで!」と突っ込まれそうな気がするんだ…けど、やっぱり、わたしはこう思うっていうのを、書き留めておきたいのです。

 

なので、他人のベッキョン評に興味関心がない方は、回れ右で戻るなり、ブラウザ閉じるなり、していただければと思います。

 

 

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キュンチューブはモンリョン回がすきです

 

 

 

 

 

 

あざとかわいい男の子

EXO本体よりCBXのほうが好みなわたし。

ジョンデさんの話はしょっちゅうしているし、しうちゃんのことも書いている。

ジョンデさんとは、疑似恋愛関係なので(ジョンデの女!)、ラブレターというか愛情表現としてたっくさん言葉を尽くしたくなる。語彙の喪失と過剰を繰り返すことで愛が高まってる感じがする。

しうちゃんは、シャバにいないという恋しさが募り、やっぱり言葉を尽くして、彼の存在を感じたくなる。忘れたくないと思うから、わたしは言葉で彼の輪郭を書き留めようとする。

 

それに、ふたりについては、行動の端々ににじむまじめさとか、誠実さとか、不安(※しうちゃんのみ)や神経質さ(※これもしうちゃんのみ)とかが、わりと、わかるなあその気持ち…と共感することが多い。

 

たまたま二人ともMっ子なのはたぶん偶然。*1

 

 

で、CBXで、唯一単独で記事を書けずにいたのが、べくちゃん…ベッキョンだ。

 

どうしても、ベッキョンのことが、うまく書けない。

「あざとかわいい…」

「でも私は男に見れない…」

「なんだけど本物はめっちゃナムジャ…」

そうやって、断片的にtweetしたり書いたりはしているんだけれど、どうにもそれ以上の言葉をつなげることができない。

 

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blooming dayのべくちゃんすごくすきなんだ

  

べくちゃんになりたい

そのくせ、実は、EXOに沼ってから、わたしのファッションアイコンはべくちゃんなんだ。

べくちゃんの空港ファッションやお衣装がわりとツボなんですね。大きいストライプシャツやパーカーやティシャツをすとんと着ている(ただしハイブランド)のが、ごてごてしてなくて、気負いしない感じでいいなーと思う。

だから、ここ最近、服を買う時は、べくちゃんみたいなシルエットを求めているところがある。

ジョンデさんやしうちゃんのファッションを見ても、まねたいって気持ちにはあんまりならない。

でも、べくちゃんなら、おそろいにしたい、まねたいって気持ちがわくんだよね。

 

 

 

そう、べくちゃん風味を求めて気づいたのは、わたしはナムドルくらいのユニセックスなファッションが身体的にも精神的にもなじむのだなーということでした。

とはいえ、体のラインは完全に女のそれなので、ナムドルっぽくしてもどこかメスっぽさが残ってしまうのだけど。

 

べくちゃん風のパーマにしたときに、周囲の評判がよくてびっくりしたんだ。それまでかなり長い間髪型迷子だったんだけど、ここに正解があったのかと…取引先のお姉さんに「イケメンですね!」と言われてめちゃくちゃうれしかったです…。*2

 

 

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べくちゃん風パーマの例

 

 

そういえば、学生時代の後輩の男の子(レイさん似!)に、白いティシャツにレザージャケット、スキニーパンツに革靴がとてもよく似合う子がいて、うらやましいなあと日々思っていたのだ。

体が薄くて、腰の細い、スッとした背の高い男の子だけが似合うファッション。

「わたしもあれがしたいな~」と思いながら「でもあれは男の子だからできるんだよな~」と思ってあきらめてた。*3

そんなわたしは、数年経って、ベッキョンというナムドルのファッションに行きついたのだった。*4

 

 

 

 

べくちゃんのわからなさ

そうやってビジュアルをまねしておきながら、だ。

 

べくちゃんについて、特に彼の言動や考えていることに対して「よくわからない」という気持ちになることが多い。

 

 

 

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ビジュアルや立ち居振る舞いに「かわいい」「かっこいい」「このべくちゃんのファッションまねしたい」――そういう外面的な部分にぐっときたりはする。

だけど、彼のエリへの気遣いや優しさなどの、内面的な部分について、なんだかいつも、うまくつかめない。

彼の優しさは、わたしにとっては、もやのなかにつつまれていて、よく見えない感じがする。

 

まわりがみんな「優しい」と言っているのだから、きっと優しいのだろう。

わたしは、たまたま、よくみえないのかもしれない。

 

 

もちろん、彼の内面あるいは才能について、何も感じないわけじゃない。

まず歌がうまいのは大前提。

あのちょっとハスキーな感じがとてもかっこいい。顔に似合わず野太い感じもいい。マジサーの「私このままでいいのかな」、あれ、歌うたびにどんどんうまくなってったのがすごいなと思った。

MCもうまいし、ムードメーカーで、皆のテンションをぐっと引っ張る力もある(日本的にいうと「空気が読める」)。

他人の期待をくみ取る力がめちゃくちゃ強い。相手の反応をよく見ていると思う。自分がどういうふうに見えたら「かわいい」のか、「かっこいい」のか、ものすごくモニタリングしているのだろうなーと思う。それによって自分がどう出るかを考えられる人なんだろう(日本的にいうと「コミュ力が高い」)。

こんなん…社会人として完璧じゃねーか!…と、社会人適性がないわたしは思います。

 

それを評価すれば、それでいいのかもしれない。

 

でもわたしは、やっぱり、考えこむ。

 

 

 

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べくちゃんって、どこか、表層的な存在に思えることがある。

彼自身の、ビョン・ベッキョンとしての、個人の内面がどこにあるのかが、よくわからない。

彼の姿は、常に相対的というか、他人=エリありきの姿に思えて、しかたない。

 

 

ジョンデさんがよく「内面を見せない」「闇ジョンデ」って言われるけど、彼の場合は、本人が見せる顔と見せない顔の線引きをしているんだろうなと推測できる。

しうちゃんは、しむふぉゆでゴリゴリにプライベートをさらしてきたし、ここ最近は束縛感も強かったから、こちらとしても「不安なんだね…」と内面のようすを察してしまいたくなった。

ふたりは、確固たる内面があるというより、絶対に見せないか、いっそがっつり晒してしまうかで、「個人の内面」の存在を感じさせられた。

 

 

それに対してべくちゃんはどうだろうか。

キュンチューブなり、インスタなり、Twitterなり、いろんなツールがあるし、それなりに彼の日常が発信されてはいるのだけれど、そのどれを見ても、わたしは彼の内面が、いまいちわからない。

彼の内面の奥深くに何があるのか。

推測で物事を語るにも、あまりにも情報が足りない。

 

 

彼は「“ベッキョン”をすること」を、している 

べくちゃんは、エリたちの表情を見て、エリたちの求める「ベッキョン」を表出しているんだと思う。そのことはわかる。

そのパフォーマンスはあまりにも的確で、うれしくなる。

 

だけど、だけどさ、それは「アイドル」としての彼の顔であって、お仕事であって、わたしにはあくまでも「商品」としての表情に見えるのだ。

他人に見せるための、整えた表情。

 

そして、彼のこういう部分が、すごく「女子」みたいだ、と思わされる。

 

生物学的な性別(sex)がメスのそれかどうかという意味ではなくて、社会・文化的に与えらえた性別(gender)としての「女」というカテゴリーに振り分けられている人々が、どういう振る舞いをすることが求められているのか。

すごくそれに近いものを感じる。

 

 

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「女」という存在は、最初からあるわけではない。「男(人間)」という存在ありきで作られるカテゴリーだろう。「男ではない存在」「男とは違う肉体をもった存在」としてまなざされ、「男ではない存在」として線引きされることによって成立する。

「女」であるとカテゴライズされた存在には、自我が求められない。周囲に(おもに年長の男性に)逆らうことなく、従順であることが良しとされる。ひとりの尊厳ある人間としてはみなされず、男のあらゆる欲望のためなら犠牲になってもよい存在として扱われる。男性優位社会を生き抜くための自我なら求められるけれど(男を食わない程度の「活躍」とかね)。

社会・文化が期待する「女」という存在はどういうものなのか、わたしたちはたくさんのメッセージを受け取って生きているし、そういう有形無形のあらゆるメッセージを受け止めながら、私たちは「女」になっていく。

 

べくちゃんは、わたしたちが「女」として見られながら生きているのと同じように、「アイドル」「EXOのベッキョン」として見られながら生きているのではないか。

 

ベッキョンというアイドルは、最初からあたりまえのように存在するわけではない。EXOのメンバーとなり、「K-POPアイドル」を演じることによって、彼は「ベッキョン」として形づくられていっているのではないだろうか。

ファンダムやファンダム以外の一般リスナーから見られ続け、期待され続け、批判され続ける中で、彼以外が考える「ベッキョン」を、彼は積極的に取り入れながら、「ベッキョン」という存在を更新し続けているのではないだろうか。

 

だから私は、彼の内面がつかめないと思うのかもしれない。

だって、そこに、ベッキョンという確固たる「自我」は存在してはならないのだから。

周囲と調和したうえで成立するイメージだけが、そこにあるのだ。

「女」が男たちからまなざされることで形づくられていくように、「ベッキョン」は、わたしたちにまなざされることで形づくられる。

 

 

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一方で、彼の「男らしい」部分が強調されがちなところも、目につく。

自分で自分のハードルをがっつり上げていく、けしかけていく感じ。負けず嫌いなところ。俺が俺がと前に出てくるところ。ゲームやミッションでは絶対に負けたくないところ。こういうわかりやすい闘争心は、非常に「男らしい」と言われる特徴だろう。

そういう部分も確かに彼にはある。あるのだけれど、競争って競う相手ありきでおこなえるものだから、やっぱり、彼にとっては周囲と比較してどの辺にいるのかということが、すごく重要な価値を持っているのかなと思う。

それがまた、彼がいかに、自分という存在が相対的に存在しているのかを示しているような気がする。

 

どうなんだろう。あくまでこれは私の想像だし、本人がどう思っているかはわからない。本人にとっては、本人の自我があるのかもしれないし、自己肯定感とかないとこんな仕事やっていけないだろうと思う。他人と比較できたり、他人の要望に応えることができるのは、安定した自己があるからこそ、という場合も考えられる(逆も大いにあると思うけど)。

 

他人の目を気にし続けて、他人の期待にこたえ続けて、自身にも高いハードルを課していく。そうやって、「アイドル」に苦しめられているのが、べくちゃんなのではないだろうか。

 

わたしは、男からまなざされ、男に要求されるがまま、生きる人生はごめんだし、そういうのをぶっとばして、自分にとって気持ちの良い世界で生きたいって思うんだ。

べくちゃんは、どう思っているんだろうか……要求される姿なんてぶっとばして、自分の思う通りに生きたいって思ったりしないんだろうか………なんてことを考えたけど、違うよな。この話はあくまで、私の仮定で、妄想でしかないんだった。

…めちゃくちゃ失礼なことしてるな。

 

 

 

ユニセックスかもしれないけどジェンダーレスではない

彼のしている振る舞いは、わたしにとっては非常に女子的なものとして映る。にもかかわらず、彼が「ジェンダーレス」な存在だとも言えないのは、彼自身が「男らしさ」というものを否定しているわけではなく、むしろ積極的に内面化しているようにも見えるからだろう。

このかわいらしさと男らしさが混ざり合っているのが、ベッキョンの魅力であり、わたしにとってはわからなさの源泉になっている気がする。

 

ビジュアルはたしかにユニセックスのようにみえるかもしれない。

けれど、決して、性別を越境することはない。

彼らがジェンダーを揺るがすことは、ない。

 

K-POPのナムドルの中でも、EXOはその極致にいるなと、よく思う。

EXOのなかでもその最たるものがベッキョンだったんだと思う。

 

そして、彼が「男」であることがわかるほど、「ああ、わたしはべくちゃんにはなれないんだな」と自覚させられる。

どんなに彼のようになろうとしたところで、私と彼は別の存在だ(あたりまえだ)。

彼はアイドルで、男で、私は一般人で、女なのだと、突きつけられたような感覚に陥る。

ユニセックスでごまかしても、ジェンダーからは逃れられないのかなって、思う。

 

ジョンデさんに対して思ったように、初めから「この人はナムジャだなー」って、自分から切り離せていたら、こんなことは思わなかっただろう。

「同じになれるかも」と思った人が実は全然自分とは異なる存在だった時の、悲しみみたいなものがある。

 

 

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なんだけどさ。 

最近、連日アップされるソロのティザーを見て、わたしはべくちゃんに「男」を感じるようになってきた。*5

 

彼は「あざとかわいい」のだと思っていた。彼の色気は戦略的に放出されるものであって、その色気の種類はむしろ「キュート」とか「コケティッシュ」に近かった。

 

でも今回は違う。めちゃくちゃオスを出してきている。

急に男の色気を振りまき始めたように見える。

何か明確な意思のようなものも、感じる。

誰かの目線を内面化しつつも、まだ誰も見たことない彼へと、わたしたちを誘おうとしているのではないか。

 

彼がいったい何をやりたいのか、彼とはいったい誰なのか、ソロデビューによって、なにか見えるものがあるのだろうか?

あるのだとしたら、わたしは、それがとても見たい。

「ベッキョン」という存在が更新されるその瞬間を、見たいと思う。

 

 

 

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ジョンデさんのことはこちら↓ 

hachigatsu90.hatenablog.com

 

しうちゃんのことはこちら↓

hachigatsu90.hatenablog.com

 

CBXのさいたまに行ってきた話↓

hachigatsu90.hatenablog.com

 

*1:むしろK/M時代の曲、演出とか、好みじゃないものが多く、しかもみんな若すぎて罪悪感で見られないから、あまり聴きたいと思えないのです…。

*2:でもたまに疲れすぎてヨレヨレになって社内をふらついてると、別部署のおばさまから「見た目はかっこいいのになんか詰めが甘いのよね…^^」とつっこまれる。うん。自分でもそう思う!体力がないからね!

*3:あきらめもあったし、自分は「誰か(すなわち当時の恋人)の女」だから、彼を食ってしまうようなファッションをすることも気が引けた。

*4:30歳になるまでに、好きな格好をしようと思えるようになったってことなのかも。 

*5:わたしは「女」を装着しないとEXOを楽しめないのです。詳しくは過去記事でどうぞ。

hachigatsu90.hatenablog.com